先日リリースされたばかりのオープンワールドRPG『Bleak Faith:Forsaken』に、アニメーションの“パクリ疑惑”が浮上している。

盗用元が人気ゲーム会社、フロム・ソフトウェアの作品だったこともあり、ゲーマーたちが怒りの声を上げているようだ。

◇購入したアセットに問題あり?

「Bleak Faith:Forsaken」は、セルビアのスタジオ『Archangel Studios』が開発を手がけたソウルライクゲーム。文明崩壊後の広大な世界を舞台にしており、プレイヤーは強靭な敵に何度も敗北しながら、危険に満ちたロケーションを探索していく。

かねてより注目を集めていた同作だが、3月11日にリリースされて早々、フロム・ソフトウェアの人気アクションRPG『ELDEN RING』(エルデンリング)のパクリ疑惑が浮上してしまった。

たとえば「エルデンリング」のボスキャラクター・マレニアと似たような攻撃モーションをとる敵が登場したり、プレイヤーの剣を振り回す動作がほぼ一致していたり…。とにかく既視感のある動きが多々見受けられる。

盗用疑惑は海外ユーザーの間で広まったが、日本でも《これは完全にアウト》《あらゆるモーションが丸被り》《リスペクトを通り越してる》と大きな話題になっている。

しかし指摘を受けた開発側は、盗用の意図を真っ向から否定した。

そもそも件のモーションには『Unreal Engine マーケットプレイス』で購入したアセット(素材)が使われていたのだが、その商品が無断盗用されたものだった…という不幸な事故らしい。

そこで開発側は、「Unreal Engine マーケットプレイス」の運営であるEpic Gamesに抗議を行ったそうだが、思うような回答は得られていない。

Epic Gamesの言い分としては、規約の遵守はあくまでアセット出品者の義務であり、運営側にはそれを監視し、購入者に保証を行う義務はない…とのことだ。

◇ゲーム界隈で相次ぐパクリ騒動

実はアセットの盗用問題については、最近他のゲームでも同じような事例が報告されていた。“ファンタジー版タルコフ”としてブームを呼んだ、PC用アクションRPG『Dark and Darker』の一件だ。

同作は韓国のスタジオ「IRONMACE」が開発したダンジョンクロウラー型探索ゲームで、ダンジョンにはびこるモンスターや他のプレイヤーを退けながら、宝を回収していくという内容。

プレイテストでは10万人以上の参加者を集めた注目作だったが、これに対してネクソンが“自社で開発した素材やアセットが盗用されている”と主張した。

元々、ネクソンを解雇されたメンバーが「IRONMACE」に移籍した経緯があるため、アセットの流用が疑われたのだ。

しかし「IRONMACE」は疑惑について全面的に否定。同作のコードはゼロベースから構築されているほか、「Unreal Engine マーケットプレイス」で購入したアセットを中心に制作している旨を主張した。

その主張を信じるなら、問題はむしろ「Unreal Engine マーケットプレイス」の側にあったことになる。現在も韓国警察の捜査が続いており、事態の進展が気になるところだ。

近年の大規模化したゲーム開発の現場において、アセットの利用は避けられない。

そう考えると、このところのパクリ騒動は起こるべくして起きたとも言える。今後、さらなるルールの整備が求められるだろう。

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